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若腎虚の原因

<飲食の不摂生>

飲食の不摂生というと暴飲暴食などが思い浮かびますが、古来、漢方で考えられている飲食に関する不摂生については、現代人が見落としがちないくつかの項目があります。以下に挙げるような項目は、現代社会に於いては特に異常ともされずに日常的に行われていることですが、漢方の考え方では胃腸機能の低下の要因となり、結果的に飲食物の中から生命の根源物質ともいえる「精」という物質を吸収することができなくなって、「腎虚」を加速させたり“若腎虚”の原因となります。

昔から「・・・を食べれば精がつく」という言い方は、正に漢方の「精」という概念に基づいてはいますが、いくら栄養のある食べ物を食べても胃腸機能がちゃんと働かなくては食べ物に含まれる栄養は身体に吸収されません。

以下に挙げることは、何を食べればよいかという問題ではなく、胃腸機能に悪影響を与えるという意味での「飲食の不摂生」です。

・生冷過食・・・文字通り、生ものや冷たいものを摂りすぎてはいけないということですが、飲食物に関して「冷たいもの」とは冷蔵庫から出したてのものや氷の入った飲み物などのことを指すのではなく、あくまで体温より低い温度のもののことを指します。現代社会では空調設備が整っている影響もあって真冬でも喉ごしの良い冷たい飲み物を平気で飲むことが多くなりましたが、このことは胃腸機能の低下を招き、飲食物に含まれる栄養物の吸収が滞ることで「精」の不足を招き、“若腎虚”の原因となります。

・食事の時間・・・日によって食事の時間がバラバラというのは意外と胃腸機能の低下要因となります。また、理想的には食事の後は軽く散歩などをした方が飲食物の消化吸収には良いとされていますが、少なくとも夕食後すぐに寝るといったことも胃腸には負担になるとされています。

・よくかんで食べる・・・戦後、食事の欧米化が進むと共に野菜や玄米など食物繊維の豊富な食材の割合が減って、柔らかい食べ物が主流となって食事の際にあまりかむことが無くなってきました。しかし、よくかむことは胃腸における消化の負担を減らすだけでなく、唾液の分泌を促すことで様々な利点があります。唾液中には消化酵素以外にも鉄欠乏性貧血の改善効果やピロリ菌に対する抑制効果、免疫調整機能などが認められているラクトフェリンや、食品中の発ガン物質に対して強い抗酸化作用により発ガン性を抑制するペルオキシダーゼなどの酵素が含まれています。

<生活習慣>

漢方の考え方では人間は自然の一部であり、昼と夜、あるいは四季それぞれに適した生活リズムがあるとされており、自然のリズムと一体化した生活をすることが健康につながると考えられています。もちろん、過労や房事過多、あるいは安逸過多などといったことも健康を損なう原因として挙げられていますが、自然との調和を忘れた現代人の生活パターンは知らず知らずのうちに身体に負担となり、若腎虚を発生しやすくさせています。

若腎虚を発生させやすくする、現代人が陥りやすい生活習慣をいくつか挙げておきます。

・夜更かし・・・日本人の平均的な睡眠時間は世界的に見ても相当少なくなってきており、ある調査では世界で最も睡眠時間が短いのは日本人だという結果も出ています。1日のリズムの基本は日の出から日没までが活動時間で、日没後は休息の時間です。漢方の考え方でも体中を巡る「気」の運行もこのリズムに連動していますので、夜更かしや、反対に過度の昼寝は身体に悪影響を与えます。特に、陰陽という言い方では、夜は「陰」の時間帯で、この時にぐっすり眠らないと身体が必要としている「陰分」は作られません。ここで言う「陰分」とは、身体が必要としている物質的なもの、即ち潤いや血液、そして「精」ですが、これらの物質的な不足や「気」の運行の乱れは若腎虚を発生させやすくなります。因みに、夜更かしの問題点は睡眠時間の短さではなく、本来寝るべき時間帯に起きていることであり、朝寝坊したり昼の時間帯にいくら寝たからといって解決されるものではありません。

・季節を無視した生活・・・暖房や冷房といった空調設備が整ったことや、ハウス栽培などが一般化したことで、野菜や果物でも季節感が無くなってきています。ただし、あくまで人間は自然と調和した生活を送ることが重要という観点からは、体を動かすということでは春から活動をはじめて、夏の暑い時期は汗をかきすぎないように、冬は寒い屋外での活動を控えるというのが漢方的には正しい養生法になります。また、食べ物でも寒い時期には体を冷やす作用のある夏野菜(トマト、キュウリ、ナスなど)は控えるべきです。特に冬の時期は、身体に必要な栄養を蓄えて来るべき春からの活動に備える時期とされ、この時に体を冷やすと、「腎」に充分な「精」が蓄えられずに若腎虚につながっていきます。

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